■治験例(9)左肩の痛み

40代男性。職業;漁師 身長170cm,体重75kg 

お酒:○,タバコ:○

 
【悩み】
左肩がうずく。一年前に、脱輪した車を何人かで抱えあげた。その時の痛みが、1か月前から再発。他に、これといった原因はない。

【視診・問診・検査】
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表情は、穏やか。日常生活には、支障なし。
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既往歴;手術等も無し。
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趣味・運動;船釣り
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熱感;無し。
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稼動域検査(ROM);左肩関節の後屈、外転制限あり

【方針】
 左肩前面(深部)に痛みを訴える。「稼動域検査」より、三角筋(前部)の筋挫傷を疑う。挫傷部の『冷却(興奮させない)』『安静』を目指す。

【施術】
 まず、三角筋を刺激しないように、肩甲骨周囲筋のトリートメント。これにより、挫傷部の『安静』が期待できる。その後、挫傷部(三角筋)を制痛位に優しく運び、90秒。「カウンターストレイン(法)」を行う。

もう一度、稼働検査。
⇒最初より痛み度数が「10」→「5」まで、低減。左肩関節の後屈位で、痛みが残る。

「上腕二頭筋」
力こぶを作る筋肉。この筋肉が、傷んでいる様子。と話すと、
 「釣りのし過ぎ?」と本人談。

先月から釣りシーズンに入り、一日6時間。竿を握りっぱなし。利き腕が右なので、
左手で竿を持ち、右手でリールを巻く。
 「釣りの後に肩の痛みが悪化する」
とまた、本人談。

こちらも、軽めのストレッチとカウンターストレイン(法)を実施。
もう一度、稼働検査。
⇒最初より痛み度数が「5」→「2」まで、低減。
 肩関節も、ぐるぐる回るようになり、声の張りもある。表情も明るい。

最後に、テーピング。
ここでは、上腕二頭筋部に「キネシオテープ(※)」を貼る。日常生活で、腕を使わないことは通常ありえない。よって、疲労を最小限に抑えるために、実施した。

※キネシオテープ:茶色のテーピングで、伸長性がある。完全な「固定」ではなく、伸びるため可動性がある程度必要な箇所で用いられる。

【分析】
 当初、稼働検査では「三角筋」だけの筋挫傷と思ったが、実際は釣りによる「上腕二頭筋」の挫傷の割合が大きかった。船釣りは揺れるため、腕だけじゃなく、下肢など全身疲労も発生する。よって、疲労を感じる
“脳”へのケアも今後、必要と考える。

【指導】
◎ アイシング(冷湿布/コールドスプレーなど)
 (釣りの直後は、熱感を持っているため、冷やすことでまず痛みを押さえる。釣りの最中でも有効と考える。)
◎ テーピング(茶色・キネシオ)
 (疲労した筋肉の補助。)
◎ ストレッチ(準備/整理体操)
 (全身体操が望ましいが、今回痛みの出ている左肩部。特にこちらの筋肉の疲労物質を
こまめに取り除く。そうすることで、痛みの予防を期待する。)

※ 注意:この【施術】法は万人向けではありません。
 ⇒ このように当院では、個々人に合わせて【施術】法を選択しますので、施術前には必ず【問診】【検査】そして、【施術】法の確認(説明・合意)を行います。
   
この内容についてご不明な点は、電話などでお尋ねください。
症状の悪化を未然に防ぐために、医療機関でのレントゲン/血液・尿検査も併用しています。

 

 

イラストは、『ハミガキウォーズ』HPより

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