■治験例(5)交通事故(肩うずき)

60代女性。専業主婦
身長155cm,体重60kg お酒:×,タバコ:×
大便2/日小便3時間おき 睡眠/7時間 

血圧155/104脈拍71

 
【悩み】
交通事故(3ヶ月前)後、右肩が不自由。洗髪や背中をかく時に痛みが出る。毎晩うずく。

【視診・問診・検査】
視診;立位・座位とも、際立った問題は見られず。
通院歴;事故当日から2週間入院。MRI検査では、骨に異常なし。その後、接骨院で電気・牽引治療。便秘薬を服用中。熱感(-)。
これまでの病気・ケガ;腰椎椎間板ヘルニア、ぎっくり腰。

 
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趣味・運動;裁縫(ミシンかけ)、水泳
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眼瞼痙攣(-
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稼動域検査(ROM);右肩関節の前屈、後屈、外転制限あり。
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整形外科テスト;バレリウ(-)、バルサルバ(+/-)、嚥下(-)、ライト(-)、アドソン(-)。棘上筋炎(-)、ヤーガソン(+)、脱臼(+)反応。

【方針】
整形外科テストにより、頚部の血管・椎間板・筋肉には問題は見られない。
肩部の筋肉(棘上筋、上腕二頭筋、広背筋、大円筋、後三角筋、棘下筋、小円筋、大胸筋)の筋スパズム(凝り)が稼動制限に影響。併せて肩鎖関節(円錐/菱形じん帯)の固着が可動性を抑えている模様。

【施術】(計5回。各60分)
※ 年齢的にも骨密度が充分とはいえないので、骨(関節)に対するアプローチは慎重でなければならない。
現在の稼動域を確認しながら、上記の筋肉の緊張を取り除く。交通事故による急激な衝撃がかかっているため、今回は「カウンターストレイン」を用いる。これはムチウチ、寝違いなどの症状にも有効。
初回は筋肉に対するアプローチのみで終了。
【評価】
ずいぶんと腕が上がるようになった。背中はまだかきにくい。

●2回目(1週間後)
稼動域は、前回の範囲を維持。就寝時のうずきはある。
【施術】
同上。
【評価】
前回よりも背中は掻きやすくなった。

●3回目(1週間後)
【施術】
筋緊張もほとんどなくなったので、「カイロプラクティック」による肩甲上腕関節、肩鎖関節の可動調整を行う。過去の検査では脱臼の陽性反応が出ていたが、逆にスクーター運転転倒時に手を地面に強烈に突いた模様。施術を行い、癒着を取除いた。
【評価】
背中は掻けるようになった。

●4・5回目(各1週間後)
就寝時のうずきの確認、及び経過観察のため来院。
【施術】
筋肉に対するアプロ-チのみ。
【評価】
就寝時のうずきもなくなった。

【分析】
 今回は、肩鎖関節(円錐/菱形じん帯)の癒着が最大の原因だったと考えられる。
 長期間(今回は3ヶ月間)関節が固定されると、人体はその状況に「適応」しようとする。そのため、バンドの役目をする「じん帯」がしっかり固定され過ぎてしまったため、動くべき範囲まで動かなくなり、この症状が生まれたと考える。
 日常生活でも同様。普通の人は、バンザイのポーズはめったに取らないと思う。となると、上述と同様なことがいつ起きても不思議ではない。例えば、四十肩。予防のためには、「ラジオ体操」。これは全身の筋肉・関節を無理なく動かします。子供からお年寄りまで、しかも何十年も中身は変わっていません。変えようがない位素晴らしいものと言えるでしょう。まずは興味のあるものから始めてみましょう!そして、いろいろかじってみて
〔続けられそうなもの〕を見つけてください

【指導】
◎ ベランダ体操
 (肩関節の後屈、外転を意識しながらストレッチ)

※ 注意:この【施術】法は万人向けではありません。
 ⇒ このように当院では、個々人に合わせて【施術】法を選択しますので、施術前には必ず【問診】【検査】そして、【施術】法の確認(説明・合意)を行います。
   
この内容についてご不明な点は、電話などでお尋ねください。
場合によっては、医療機関でのレントゲン/血液検査等を先にお願いすることもあります。

 

 

イラストは、『北海道庁』HPより

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