■治験例(10)アキレス腱の痛み

30代女性。職業;パン屋さん勤務
身長155cm,体重45kg お酒:○,タバコ:×

 
【悩み】
アキレス腱(特に左足)が痛む。勤務後に、症状悪化。2か月前に発症。今の勤務先になってから痛み出した。動き回る仕事のせい・・?

【視診・問診・検査】
*
表情は、穏やか。日常生活には、支障なし。
*
血圧;85/60(脈拍60
*
既往歴;手術等も無し。
*
熱感;無し。
*
勤務先(パン屋)床材;硬い。
*
履物(仕事中);運動用シューズ(クッション性有り)
*
足のサイズ;21.5cm
*
他の従業員;アキレス腱の症状は無い。
*
左右差;右側のふくらはぎに凝り感有り。

【方針】
 ケガ(既往歴)もなく、他の従業員にも症状はない。履物も、クッション性有り。アキレス腱に対する普段からのケアは万全であり、問題は見当たらなかったが、ひとつだけ今履いている『靴』に気になる点があった。

21.5cm

このサイズの靴は、なかなか見つからないらしい。大人用は、22.5~。子供用は、それ(21.5)よりもはるかに小さい。よって今は、少々ブカブカな靴を履いている。

このぐらつきによる「疲労」が
他の従業員に比べて余分な疲労となっている、と考えた。

⇒ 現在でも日々、小さな「急性炎症」が起きている。
基本は、【冷やして】【安静】。これを最重視して、施術することにした。

右側に凝り感があったのは、左側の痛みをかばって右足荷重となっていたことが推測される。

【施術】
 まず、アキレス腱に関する筋のトリートメント。
(1)
姿勢維持筋である「ヒラメ筋」。
その後、(2)運動(歩行時)時に使用する「腓腹筋」「長指屈筋()」を優しくトリートメント。

足関節(あしくび)~足指先にかけての関節内の疲労物質の除去。

最後に、テーピング。
ここでは、アキレス腱部~膝にかけて「キネシオテープ(※)」を貼る。これにより【安静】を作りだす。

20
分の施術を終え歩行してもらうと、ずいぶん軽くなった。
という感想を述べられました。

※キネシオテープ:茶色のテーピングで、伸長性がある。完全な「固定」ではなく、伸びるため可動性がある程度必要な箇所で用いられる。

【分析】
 この場では、「硬い床」と「ブカブカな靴」は再現できなかった。しかし、かなりの好感触をつかんだ様子だった。

【指導】
◎ 靴の中敷き/購入
 (他の従業員にも同じ症状がみられれば、床材の問題が大きいとみたが、そうではない。よって、自らの『足まわり』を見直す。「靴下の重ね履き」や「中敷き」などで、ぐらつきを減らす。今後、マッサージ等でコストが生じることを考えれば、多少高くても靴を新たに購入することも、選択肢の一つ)
◎ アイシング(冷湿布/塗るタイプの抗炎症剤/コールドスプレーなど)
 (勤務後に、その日の疲労を取ってあげる。現状何もケアしていないので、入浴後のアイシングで様子をみる。必要であれば、勤務中も取り入れる。)
◎ テーピング(茶色・キネシオ)
 (疲労した筋肉の補助。)
◎ 青竹踏み
 (疲労している筋肉。その周辺筋肉を元気にし、疲労感を押さえる)

※ 注意:この【施術】法は万人向けではありません。
 ⇒ このように当院では、個々人に合わせて【施術】法を選択しますので、施術前には必ず【問診】【検査】そして、【施術】法の確認(説明・合意)を行います。
   
この内容についてご不明な点は、電話などでお尋ねください。
症状の悪化を未然に防ぐために、医療機関でのレントゲン/血液・尿検査も併用しています。

 代表☎: 076-224-0220   お急ぎ☎: 090-2838-1078